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    Monthly Column

    コンカリーニョに縁のある人々による月替わりコラム


    「人形劇作家・沢から、みなさんへ」

     先日、千秋楽を迎えた東京での公演、その中日(なかび)に、ぼくはとんでもないトラブルを起してしまいました。宙吊りの布に映像が投射される場面で、そのスクリーンを床に落としてしまったのです。うまく演技を織り交ぜながらつり直すことは、時間的に不可能でした。コンピュータにプログラムされた照明も、すぐには元に戻せません。音楽だって、せつないクライマックスに向かって流れ続けています。ぼくは迷った末、思い切って芝居を止め、お客さまに馬鹿アタマを下げて、正直にあやまりました。そして、やり直すことを許していただきたい、全力を尽くして、最後までつとめます、と必死にお願いしました。

     本来であれば「バカヤロー、金返せ!」と怒鳴られても、まったく仕方のない場面です。しかし、お客さまは大きな拍手で舞台の続行を許してくださいました。それから…ライヴの演奏家は強力なアドリブで作品を支え、照明や音響のスタッフも、途中再開のむずかしいキューをみごとにひろってくれました。

     最終的に東京での四ステージ中、その回がもっとも盛り上がった、熱い上演になったのです。アンケートにも「めったに見られない凄いモノを見た、得した(笑)」「沢とスタッフが、どれほど強く結びついて舞台ができているのか、今日わかった」という感想が多く残りました。

     もちろん、そのことに甘え、満足するつもりはありません。終演後には死ぬほど落ち込みましたし、鬼のように反省もしました。しかし、このトラブルを通して、ぼくはひとつ、大きなことを学んだ気がします。沢の作品を観に来てくださるお客さまは、ひょっとしたら、高度な操演技術やクールなストーリィ以上に(もちろんそれらだって、ぼく自身がもっとがんばって磨かなければならない武器なのですが)、芸人とスタッフが一体となって必死に舞台をつとめる姿、見てくれるひとりひとりのために可能な限り誠実であろうとする、暖かであろうとする心、なのではないか、ということです。

     ぼくは本番前にスタッフたちとともに祈る時間をよく持ちます。どうか、多くのお客さまが来てくださいますように、そしてそのひとりひとりが何かに感動して、満足して家路についてくださいますように、と。

     4月26日、27日には円山動物園で飼育係の方とのジョイント公演、5月9日、10日は教育文化会館で、ぼくが演出したチェコ・オストラヴァの芝居、そして8月にはいよいよコンカリーニョで……。スタッフと一緒に、みなさんを待ってます。

    沢 則行

    沢 則行 北海道小樽市出身。チェコ共和国プラハ市を拠点に世界各国で活躍する人形劇芸術家。ヨーロッパ文化賞「フランツ・カフカ・メダル」他、受賞多数。国際人形劇連盟(UNIMA)会員。チェコ国立芸術アカデミー演劇・人形劇学部講師。

    コンカリーニョ・高橋正和のつれづれコラム


    「春!」

     冬から春へ。温寒繰り返し、だんだんと暖かくなる。草や樹の緑は少しずつ鮮やかに、花は咲き、空の色も明るく、空気の匂いは生命力に溢れる季節の到来です。いつも思う。律儀に四季は訪れる。本当にありがたい。あるべき姿とこんなにも乖離した私たちもその恩恵にだけは与り続けている。心から感謝。

     地球と共に生きる? 地球の一部として生きる人間は「自分は何故ここに生きているのか」を忘れ、それなのにえらそうに「地球のために」とか「自然のために」とか言っている。個々は個でありながらひとつのものなのだと思う。それを思い出さなきゃね。思い出しさえすればやるべきことは当たり前に見えてくるはず。

     地球に感謝=自分に感謝。自己中心的ってことは本来非難されることではない。本当の自己中心な行動や考えは自然にバランスがとれているはずだからね。あるがままにあれば、正しい自己中心的生活が送れるはず。僕は自己中心的です。バランスは悪いけど。すごく悪い。間違いない。あなたも自己中心的。全ての人類がちゃんと自己中心的であったなら環境問題なんて起こりえない。だって誰だって自分の体や魂を自ら壊そうとは思わないし、他に対しても同様だから。イノチに対して・モノに対して、もっとオオキナモノに対して、チイサナモノに対して……。全てのエレメントはひとつとして同じものは無く、だがしかし皆同じ!っていう禅問答みたいなことが大切で、それは頭では決して理解できるはずも無く、心で「ワカル」ようになりたい。 そのために僕は生きている。

    春は魂・命が見えやすい季節。
    だったら見よう!

    たかはし・まさかず

    1961年生まれ。インドにて瞑想中、「光ある仕事に就きなさい!」という観音菩薩からの啓示をうけ舞台照明家を志す。自然と人智の結晶、石造りの旧コンカリーニョの設立・運営に携わり大いなる大地・そのGreat Energyの恩恵の元、魂の平和を求め人生という名の「旅」を続け現在に至る。NPO法人コンカリーニョ理事・舞台照明家・愛称まこし。

    劇場通信|Vol.16

    2008 年 4 月 1 日発行

    発行:NPO法人コンカリーニョ デザイン:3KG 編集担当:小室明子

    Special Thanks:

    A Picture

    一枚の絵

    齋藤 周 Saito Shu

    美術家。1968年札幌市生まれ。札幌を拠点に主に平面作品を発表し活動。日々の生活の中での人とのかかわりについて、個人的な記憶や時間や空気、距離など日々の生活の中でなかなか見えてこないもの、日々変わってくるもの、非日常ではなく今の生活の中にきっとあるものからイメージを膨らませている。最近の展覧会は「本当に望んでいること」現代HEIGHTS Gallery Den&St(東京)、 「さっぽろアートステージ2007 500m美術館」 札幌地下街通路(札幌)。現在、北海道札幌旭丘高等学校美術教諭。 http://shusaito.com