コンカリーニョに縁のある人々による月替わりコラム
「 ロンドンにて 」 近藤良平
札幌にゆかりがあるかというと、さほどでもない。コンカリーニョに初めて来たのは2000年だったかな。何かと印象が良かった。ラーメン好きとしては、色々と足を運んだ。五丈原に一時間以上並んで食べたのは思い出深い。こっちでは皆、寒さに負けず辛抱強いとつくづく思った。
琴似に来たのは「踊りに行くぜ! ! 」の記念すべき1回目のことであった。JCDN(Japan Contemporary Dance Network)は今では立派になったが、あの頃はすべて手探りであった。「コンカリーニョ」は名前も異国風だが初めて訪れた印象も異国そのものであった。レンガ造りは、それだけでも心踊った。劇場内で使っていた大型石油ストーブは東京に住む僕らにとっては懐かしいものであった。コンカリーニョは知らない初めての場所であったにも関わらず、なぜか昔から知っている場所のようだった。スタッフの人たちも何か山小屋で行われるクリスマスパーティーの準備のような雰囲気が漂っていた。
そして去年、様々な日々を経て新生「コンカリーニョ」である。まずは改めておめでとうございます。昨年はコンドルズでも久々札幌を訪れたが、コンカリーニョでは再びJCDN「踊りに行くぜ!!」でやってきた。同じ作品を同じ場所で踊ることは滅多にない。野和田恵里花さんと長く続けているデュエット作品なのだが再びここで踊れた事に、何も言わずも喜びを感じた。物事は、どんどん新しくなっていくのに自分らの身体は、どんどん古くなっていく。良くも悪くも。そんな長い歴史を経験した訳でもないのに少しばかり感慨にふけってしまう。
新しいコンカリーニョはやっぱり手作り感がずるい程良い。スタッフの味がそのまま舞台に反映する。これは出来そうで中々出来ないこと。これからもおふくろの味と毎日クリスマスパーティーのような劇場であってほしい。
近藤良平(こんどう りょうへい)
ダンスカンパニー「コンドルズ」主宰。1996年より活動。日本全国のみならずアジア、ヨーロッパなどにもツアーを敢行。自身はコンカリーニョに2度参戦。NHK教育「からだであそぼ」では「こんどうさんちの体操」に振付、出演。ダンスのみならず映像やバンド活動、日本全国でWSも広く行う。第4回朝日舞台芸術寺山修司賞受賞。現在、横浜国立大学非常勤講師。コンカリーニョは大きめの小さな劇場
小さな劇場ですよ。ええ、確かに教育文化会館を想像する人にとってはね。しかしあなた、そう、間違ってこの「劇場通信」を手にとってしまったあなたです、札幌にいくつ小さな劇場があるか知っていますか?そしてそこではどんなことが催されているかご存知ですか? 知っているあなたはちょっとコア。コアをコアじゃなくしたいなぁ(独り言)。さらに言うと、テレビで活躍しているタレントさんもそんな劇場で芝居なんぞをやっていて世に出た人もいっぱいいる・・
例えば大泉洋さん、今や全国区・・小さな劇場で役者をやっておりました。音尾琢真さんはコンカリーニョの舞台に立ったことだってあるのです。だから何だと言われればそれまでよ・・じゃなくて、コンカリーニョは小さな劇場..業界では「小劇場」と呼ばれます..の中では大きめな劇場であります。それでもマイクは使わなくても台詞が聞こえるサイズの劇場です。将来ここから全国、世界に飛び出していく役者やダンサー・アーティストがどれだけ出てくるのでしょうか。
言い換えれば小さな劇場はひよこたちがいっぱいなわけです。ひよこを見る楽しみもなかなかなもので、当然はずれもあり、当たるとすごく得した気分。実は札幌はひよこの宝庫なのですよ。そういう意味で小さな劇場.特にコンカリーニョは表現者が表現をする自由度においては他の追随を許さない.はもう少しコアじゃなくなればいいな・・と思うわけで、昔からよく言ってきたのが「メジャーなアンダーグラウンドを目指したい!」のさ。存在意義はあるさ。だから作っちゃったのさ。愛情いっぱいよ(コンカリーニョ=愛を込めて・・スペイン語)。映画館もシネコンばかりじゃなくてミニシアターにも行ってみるといいですよ。映画館の愛を感じるね(高橋は蠍座が大好き)。というわけで、これからのトレンド「小劇場でひよこを見よ???」。先月号のコラムを読んでいただいた方へ・・80%はずれ・・次号・・多分・・。
たかはし・まさかず
1961年生まれ。インドにて瞑想中、「光ある仕事に就きなさい!」という観音菩薩からの啓示をうけ舞台照明家を志す。自然と人智の結晶、石造りの旧コンカリーニョの設立・運営に携わり大いなる大地・そのGreat Energyの恩恵の元、魂の平和を求め人生という名の「旅」を続け現在に至る。NPO法人コンカリーニョ理事・舞台照明家・愛称まこし。2007 年 2 月 1 日発行
発行:NPO法人コンカリーニョ デザイン:3KG 編集担当:小室明子
Special Thanks:JCDN