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    Monthly Column

    コンカリーニョに縁のある人々による月替わりコラム


    「 劇的空間 」 鈴井貴之

    「劇的空間とは何ぞや?」としかめっ面をして考えていた頃があった。もう20年前、20代の頃だ。時には分かったような振りをして、息巻いていたこともあった。理想とする「劇的空間」を作り上げることこそ『使命』と勘違いをしていたのだろう。

    もちろん、「劇的空間=劇場」ではない。
    劇団を解散して、もう10年近くになる。自分の中では『演劇との決別』と思っていた。
    「決別」とは大層な、と今では思うが、10年前もまだ息巻いていたのだろう。

    しかし、「決別」したと思い込んでいた演劇、そして劇的空間をまたも模索する機会を与えられた。一昨年、昨年と12月『朗読劇』なるものを任された。昨年の公演は生活支援型文化施設コンカリーニョで劇的空間を模索した。久々に感じる劇場の空気感。かつてはその決して清涼とは言えない空気を心地良く感じていたものだ。組み上げられた舞台に佇む。得た事の無い不思議な感覚。自分の家のように思えるのだが、どこかよそよそしい訪問者になっている。自分の居場所だったのに、もう足跡さえも残っていない。
    「なんだろう、これは?」

    ただ、この感覚を味わうのは初めてのことではない。というより、いつもどこでも感じている。映画監督になり、その現場に居る時。バラエティ番組で扮装をしカメラを覗き込んでいる時、マイクの前で大笑いをしている時、いつも感じていることだ。居るべき場所のように思えるのだが、しっくりとくる感じがない。
    今までいろんなメディアを通して表現活動を行ってきた。その都度、自分の居るべき場所、自分にとっての「劇的空間」を模索した。その結果として、今、僕自身は自分の場所を失った。いわばジプシーのようである。農耕生活に憧れたが獲物を求め狩猟するしか生きる道はないのである。執筆などの時、よく肩書きを問われる。『社長、監督、放送作家、タレント、パーソナリティ』どれが的確なのか。また、人からの呼ばれ方も様々だ。
    「社長、監督、ミスター、鈴井さん」
    どれも当てはまるが、どれも正解ではないように思う。
    今、思うことは、どれでもいい。あえて正解を決める必要はない。所詮、一人の人間が成し得ることなど、たかが知れている。多くの人との結びつきが成果を上げる。それしかない。だから個人の立ち位置などどうでもいいことなのだ。

    コンカリーニョの入り口に、いくつも名札が貼られている。知った方の名もいくつかあった。多くの方々の支えを感じた。
    今、僕が感じる劇的空間とは『これ』なのだ。人と人との結びつき、それこそ大きな可能性を秘めた『劇的空間』である。そう思った。

    鈴井貴之

    株式会社クリエイティブオフィスキュー 代表取締役

    コンカリーニョ・高橋正和のつれづれコラム


    「のっけから中途半端!」

    創刊号であります。私、水瓶座・AB型・生まれたときからマイペース45歳。天邪鬼と言われ、いつも飄々とやりたいことをやっていると言われ、典型的な詐欺師だねと言われたり、偽善者と罵られたり、柳のようにあっちにゆらゆらこっちにふわふわと、常に目標を持たず心の赴くままに歩いたり走ったり、だから飽きっぽいのは当然の事で、それが理事っつうんだからおかしいなぁ。

    それがこの歳になって目標を持つことになるとは・・しかも相当ほら吹きで。

    誰しも18歳の時には自分も45歳になるなんて思ってもみないことで、そして、今も昔もおやじたちは「目標を持って行動しろ」とか「夢を持って生きろ」とか「お前はいったい何をやりたいんだ!」…いろんな事を言うわけですよ。45歳ではじめて目標を持つのかな、なんて言っている私は18歳の若者が自分の目標をしっかり持っていて計画的に歩もうとしている姿なんか見るととても尊敬してしまいます。同時にちょいと心配になったりもしますが…。

    あせらなくていいんじゃないかな。所詮一生のうちでやりたいことをすべてやるのは無理、100年でも短すぎる。どうせ到達点は通過点。ならば面白おかしくやりゃあいい…って事じゃない。もったいないからね。みんな持っている心と身体、けっこういろんなことが出来るだよ。これまた人が持っている可能性は無限大で、無理かなって思うことでもやるって決めてやってみると大体のことは出来てしまうもんだ…と思う。ならばやってみるさ。やらないなんてもったいない。せっかくの巡り合わせだ。出会ってしまったのだからね。楽しむこと・もしくは楽しくなるに違いない! と確信すること。一歩踏み込むための秘訣です。

    で、目標は???? 次号へ続く…確率80%…あせらずにいそいで…。

    たかはし・まさかず

    1961年生まれ。インドにて瞑想中、「光ある仕事に就きなさい!」という観音菩薩からの啓示をうけ舞台照明家を志す。自然と人智の結晶、石造りの旧コンカリーニョの設立・運営に携わり大いなる大地・そのGreat Energyの恩恵の元、魂の平和を求め人生という名の「旅」を続け現在に至る。NPO法人コンカリーニョ理事・舞台照明家・愛称まこし。

    劇場通信|Vol.1

    2007 年 1 月 1 日発行

    発行:NPO法人コンカリーニョ デザイン:3KG 編集担当:小室明子

    Special Thanks:株式会社クリエイティブオフィスキュー、八島美穂

    A Picture

    一枚の絵

    杉吉 貢|Sugiyoshi Mitsugu

    滝川在住。墨絵、水彩、鉛筆画などの地道な絵描き家業を生業としながら、ダンサーやミュージシャンとのコラボレーション、ボディペインティングのパフォーマンス等、ジャンルを超えた活動を展開するアバンギャルドな絵師。最近の仕事としては、「 小樽うみしょう海鮮バイキングレストラン 」(札幌・東苗穂) の大壁画の原画など。

    http://www.sugiyoshi.com/